大学全入時代がもたらした業界再編の波

全大学受験者数よりも大学の募集定員の方が上回る大学全入時代が2007年、ついに始まりました。これまでにも文科省による大学の構造改革の一貫として、各大学の研究 レベルをあげるために大学間による競争的環境を促進するために研究内容や体制を評価する21世紀COEプログラムや国公立大学の法人化などによる大学の淘汰が進み始め ていましたが、大学全入時代になったことで、多くの大学がこれまでに遭遇したことのない危機感を持っているようです。新しい学部・学科の新設が相次いで行われていますが、時代のニーズに応えるというよりもこれまでも学生を集めるための施策という意味合いが濃いのもうなずけます。こういった大学の状況に合わせて受験産業にも影響が出ています。これまでとは違い、『どこでもいいから、どこかの大学へ入りたい』という層が、他の受験層と同じように受験勉強に励むことがなくなってしまうからです。また大学側ができるだけ早く学生を集めたいことから、推薦入試やAO入試枠を広げる傾向にあり、受験指導をする側にも一般入試を対象にした指導だけでは、役割を果たしきれなくなってきているのです。もちろん全入時代でもこれまでと同様のもしくは、これまで以上の価値を創造している一部の大学は依然として高い倍率を守っています。そういった大学に入学するのであれば、小学生からそのつもりの勉強をしていかなければならないという理由で、難関私立中学・高校一貫校の人気が高まるなど全入時代の影響は大学以外の教育産業に波及しつつあります。